リスティング広告運用代行の選び方|契約前に確認すべき9項目

リスティング広告代理店の選び方を、管理権限、料金、計測、担当体制、契約条件など9項目で解説します。Google公式情報と代理店各社の公開条件を基に、比較時の質問と判断軸を整理します。

執筆: cotomu 広告運用ガイド編集部監修: 編集方針

リスティング広告の運用代行は、提案資料の見栄えより、契約後にアカウント・データ・判断根拠が自社に残るかで選びます。手数料が同じ20%でも、担当範囲、最低額、契約期間、制作費は会社ごとに違います。

料金に加えて、次の9項目を各社に同じ条件で質問してください。回答が具体的で、その内容を見積書や契約書に反映する会社なら、契約後の行き違いを減らせます。

料金比較の前提は「リスティング広告の運用代行費用はいくら?手数料と初期費用の見方」で整理しています。20%という料率を自社予算に当てはめる場合は「広告運用代行の手数料20%は高い?計算例と判断基準」も確認してください。

1. 広告アカウントの管理権限を自社に残せるか

最初に確認したいのは、広告アカウントを誰が作り、誰が管理者権限を持つかです。広告主名義の既存アカウントへ代理店の管理アカウントをリンクする形なら、過去データを保ったまま支援を受けられます。

Google 広告の管理アカウント(MCC)リンクに関する公式説明では、既存アカウントへ管理アカウントをリンクしても、元のアカウント、履歴、ユーザー権限は変わらないと案内しています。管理アカウントにオーナー権限が自動付与されるわけでもありません。

代理店がアカウントを新規作成する場合は、契約中から自社の担当者にも管理者権限を付与できるか、解約時に何を引き継ぐかを確認します。ログイン情報を共有せず、正規のユーザー追加や管理アカウント連携を使います。

2. 手数料の計算式と最低額が明記されているか

「20%」と書かれていても、広告費への外掛けか、総額からの内掛けかで媒体へ使う金額が変わります。最低手数料と初期費用も比較してください。

ASUEの公式料金は広告費の20%で下限10万円、アナグラムの料金に関するよくある質問(FAQ)は媒体費100万円未満で最低手数料20万円、100万円以上で20%と掲載しています。公開条件が違うため、自社の広告費を当てはめ、毎月の請求総額と受託条件を出してもらいます。

3. 手数料に含まれる作業が具体的か

キーワード選定、入札調整、検索語句の確認、除外キーワード、広告文作成、画像や動画、ランディングページ改善、計測修正、レポート、定例会。どこまでが月額内で、どこからが追加料金かを確認します。

「最適化します」だけでは作業範囲がわかりません。検索語句をどの頻度で確認するか、広告文は誰が作るか、タグの不具合を見つけたときに修正まで行うか、といった、作業が見える具体的な質問にしてください。

4. 事業上の成果とコンバージョン設定が一致しているか

広告管理画面の数字が増えても、売上へつながるとは限りません。問い合わせ、予約、購入など、事業で価値のある行動を先に合意します。

Google 広告では、入札最適化に使う「メイン」と観察用の「サブ」のコンバージョンを分けられます。メインとサブのコンバージョンに関する公式説明を参考に、電話タップやページ閲覧を主要成果へ混ぜていないか確認します。

提案時には、件数だけでなく商談化率、受注率、粗利をどこまで共有し、運用判断に反映できるかを話します。広告側と営業側の定義がずれていると、自動入札も誤った目標へ寄っていきます。

既存設定を代理店へ渡す前の確認項目は「広告アカウント診断チェックリスト|契約前に確認すべき設定と数値」にまとめています。

5. レポートで判断根拠まで説明されるか

クリック数や顧客獲得単価(CPA)の一覧だけでは、翌月の判断に使えません。何が変わり、なぜ変え、結果をどう評価し、次に何を試すのかまで説明されるかを確認します。

自社が管理画面へ入れることも重要です。代理店独自のレポートだけに依存すると、集計の定義や元データを確かめにくくなります。管理画面、変更履歴、請求データを広告主側でも見られる状態を保ちます。

6. 実際の運用担当者と連絡できるか

契約前の営業担当者と、契約後の運用担当者が異なる場合があります。誰が日常の判断をするのか、1人の運用担当者が受け持つ社数、連絡手段、返信の目安、定例会への出席者を聞きます。

資格やパートナーバッジは補助材料です。Google Partnerには、実績、ご利用金額、認定資格の要件があります。Google Partnerの公式要件は、対象となるアカウント戦略担当者の50%以上に認定資格を求めています。ただし、バッジだけで自社商材への理解や担当者との相性までは判断できません。

7. 重要な変更を誰が承認するか決まっているか

日々の軽微な調整と、予算の大幅変更、キャンペーン停止、計測目標の変更ではリスクが違います。どこまでを代理店へ任せ、どこから広告主の承認を必要とするかを決めます。

承認が必要な変更は、提案内容、期待する効果、戻し方を記録してもらいます。運用速度を落とさないため、金額や変更種類ごとに承認ルールを分ける方法もあります。すべてを事前承認にする必要はありませんが、変更内容と承認履歴を後から確認できる状態は必要です。

8. 契約期間・解約・引き継ぎの条件が読めるか

最低契約期間、更新方法、解約通知の期限、制作物の権利、アカウントとタグの引き継ぎを契約前に確認します。成果が出ない場合だけでなく、社内運用へ切り替える場合にも必要です。

アナグラムの公式FAQは、初回6か月契約と案内しています。ただし、個別見積もりでは条件が変わる場合もあります。口頭説明で済ませず、契約書の該当条項を示してもらいます。

9. 自社の予算規模と支援モデルが合っているか

月10万円の広告費と月1,000万円の広告費では、必要な支援体制が違います。少額予算では、公開された最低手数料を当てはめると広告費に対する比重が大きくなる場合があります。自社の予算を受け付けているか、どの媒体に対応し、制作をどこまで任せられるかを確認してください。

代理店に断られたからといって、自社の事業が否定されたわけではありません。代理店側の採算と支援体制に合わないだけの場合があります。自社運用、定額の診断、運用コンサルティング、少額専門の代行も含めて比較します。

3社まで絞り、同じ資料と質問で比較する

候補を比較するときは、事業概要、目標、粗利、現在の広告費、過去データ、社内体制を同じ条件で渡します。情報量が違えば、提案内容も公平に比べられません。

そのうえで、9項目への回答、見積総額、提案の仮説を並べます。最安値だけで決めず、アカウントとデータが残り、担当者と判断を共有でき、予算に合う会社を選んでください。契約前のアカウント診断を利用する場合は、閲覧権限だけで実施できるか、診断後の営業連絡と権限解除の方法も確認します。

確認した一次情報

本記事は2026年8月2日時点の公式情報を基にしています。サービス条件は変わるため、契約前に最新の見積書と契約書をご確認ください。